引っ越し完了・信州暮らしがスタート2005年09月22日 22:58

やっと。ほんとうに、やっとの思いで引っ越しが済んだ。

東京から信州へ。
この一月半くらいは、ほとんどの労力を引っ越しにつぎ込んでいる。全くもって、ブログどころではなく、趣味の写真も、メモとして撮るデジカメはともかく、フィルムカメラに関しては一枚も撮っていないという異常事態が続いた。

このところ、朝から晩まで、ゴミ用のビニール袋か、ドライバー、ハンマーを手にし続けていた。古い荷物を始末し、新居に合わせた家具や日用品を買い、走り回る。
9月の上旬で完全に前の仕事をやめてしまったため、仕事らしい仕事はあまりしていない。だから毎日が休日のようなのだが、実は朝から晩まで肉体労働で、休み無しという感じだった。
仕事をやめるにしても、私がやっていたような自営業を撤収するには、かなりの労力を要する。延々と続くハードな残務処理の中で、収入は途絶える。

今日はそれなりに引っ越し作業が済み、軽井沢まで遊びに出かける余裕ができた。
軽井沢までの道の途中で、農産物の直販店をみつけ、沢山の野菜や茸を買い込んだ。一袋180円のトマトは途方もなく甘く、茸の「あかんぼ」は、とってもワイルドで、イタリアのポルチーニに似た風味であることを発見した。

引っ越した当初、東京で当たり前のように手に入ったワイン、バターやチーズが入手困難であることに気づき、ひどく落胆したこともあった。でも今日は、もの凄く旨い野菜や茸を安く手に入れることができ、信州の良さを再発見した。
ワインやチーズなどは、通販で何とでもなることもわかった。むしろ、この地方ならではの、旨い野菜が簡単に手に入ることに、今日はいたく感動。
もう少しすると、新そばの季節がやってくる。

ついに私の田舎暮らしは始まった。信州の旨いものに感謝!

あけび2005年09月28日 09:05

あけび

初めて、あけびを食べた。
女房が農産物の直販店(軽井沢への途中で見つけた店)で買ってきてくれたもので、その日の朝に収穫したものらしかった。果実はとても新鮮で、着いている葉っぱもピカピカだった。

幼い頃、暮らしていた家の近くに、あけびの木があった。隣が食品工場の敷地で、原っぱになっていたのだが、その向こうの家にあけびの実がなっているのが見えた。
しかし、近くに見えているのに、採りに行けない。工場の原っぱにはよく出入りして遊んでいたものの、あけびの木がある辺りには近づけなかった。
果物屋で売っているような代物ではなかったし、売っていたとしても、私の両親は決して買ってくれなかったはずだ。その種のものは、山からタダで採ってくるものという位置づけだったから、お金を出して買うという発想はなかったと思う。
そんなわけで、私にとってのあけびは、決して口にすることができない、憧れの果物だったのである。

東京の国立で暮らすようになって、この憧れの気持ちは倍増した。
国立にある、ちょいと高級な食材を扱っている店の陳列棚で、私は巨大なあけびを目撃することになった。しかし、値段をみてびっくり。確かにモノは良さそうなのだが、ちょっと手が出ない。

かくして、今日に至るまで、全くあけびというものを口にしたことがなかった。
それが、信州暮らしを始めて、いきなり念願成就となったわけである。
旨い!という類のものではないけれど、淡い甘さが心地良かった。

この農産物の直販店は、有料道路の向こう側にあるのが難点ながら、その料金を払ってでも行く価値がありそうである。