気がつけばスパゲッティ5種をつくってた2006年01月26日 20:37


今年初めてつくったスパゲッティは比較的普通だった。
近所のスーパーで安いマグロの刺身のぶつ切りを発見。まず、我が家の女王である猫のシケルガイタ様の取り分を確保。その後、残りの人間用の分をニンニクやハーブで香りを付けたオイルで炒める。そして、半生程度に火が通ったら、半分ほどを取り出しておく。残り半分をさらに炒めて、生トマト投入し、最後に大量の刻みパセリを投入。
スパゲッティとからめて盛りつけたら、半生のままとっておいたマグロをトッピング。
それなりに旨かったが、Bクラスであった。普通だった。

しかし、今年の第2作目、3作目はなかなか良かった。

2作目では、合鴨のローストをつかった(写真のやつです)。
スーパーに入っている肉屋で、一塊300円の合鴨のローストが出ていた。たぶん、正月用の余り物が安く出ていたのだろうと思う。さっそく購入し、スライスして酒のつまみにしていた。
女房が突然スパゲッティを食べたいと言い出したとき、冷蔵庫の中でその残り(端の脂が多いあたり)を発見。ちょうど、数日前の常夜鍋でつかい残した適量のほうれん草もあった。即座にその二つでソースをつくることを決める。
鴨の脂身のところを細かく刻み、バターでカリカリに炒める。なお、鴨の量が少なかったので、普通のハムも細かくして同じように炒め、味増し。今回は生クリームを大量投入。これにブルーチーズ(ダナブルー)を溶かし込む。普通の肉の部分はスライスしてトッピングにまわした。
期待したとおり、ほうれん草が鴨のスモーキーな風味とブルーチーズの臭みをうまくまとめてくれた。味のレベルはかなり高かったけれど、たぶん二度とつくれないと思う。すでにこうやって書いていて、何かもうひとつ重要な要素を忘れてる気がする。

第3作目は、「絶対に」二度とつくれないスパゲッティとなった。
材料は知人からもらった手作りのハム(その知人も誰かから譲り受けたものらしい)。これがすこぶる旨いハムだった。少しだけ残っていたので、スパゲッティにつかってみることにした。
これを炒め、最後に冷蔵庫に眠っていたバジルソースをかけただけだったけれど、かなり旨かった。
このバジルソースは、夏場に女房がつくったもの。バケツいっぱいになるくらいに知人から生バジルをもらい、保存のためにつくったものだった。さすがに保存も4ヶ月くらいになり、保存瓶がカビでいっぱいになっていた。傷んだ部分を取り除いてつかったわけだが、案外、適度に熟成していたのかも。
絶品の手作りハムとあいまって、上出来のスパゲッティになった。
二度と入手不可と思われるハムと、絶妙に腐っていた、いや熟成していたバジルソースとの組み合わせだからして、再現は絶対に無理。残念!

再現不可とはいえ、今年は快調な滑り出し。
そんなわけで、今年は1年間でどれだけの種類をつくれるか、できるだけ記録しておこうと思い立った。
ところが、この勢いに乗って新作を連発か! ・・・と思われたものの、そんなことを思い立ってからというものスランプ(?)に陥った。

で、第4作目はカルボナーラ風、第5作目はナポリタン風・・・

パスタ専門店の謎2006年01月27日 17:58

写真と文とは関係ありません
(写真と文とは関係ありません)

少し前のことだが、とある巨大な駅ビルの中で(長野じゃないです)、パスタ専門店を見つけた。
たぶんお金はあまりかけてないと思うけれど、内装がうまくまとめられていた。間接照明が多用されていて、壁やテーブルの色も、白、ベージュ、黒だけのシックなもの。ちょっと期待させるものがあった。
昼時でもあったので、新幹線に乗る前の待ち時間、そこで食事しておこうかと思った。

ところが、店に入ろうとしたそのとき、ガラス越しに見えた"Pasuta"の文字が目に入って考え込んでしまった。
はて? 確か"Pasta"が正しい綴りでは? "u"は余計ではないですか?

しかし、優雅にも磨りガラス上に印刷され、バックライトの柔らかな光に浮かび上がるその"Pasuta"の文字列に、とても誤りがあるとは思えなかった。巨大な駅ビルの施設だから、たぶん設計事務所とかコンサルタント会社とか、いろんな人がチェックしているはず(*これは、まだ例の偽装問題が発覚する前の出来事です)。
もしかして、イタリアでもそう綴る方言があるのではのではないか、あるいは最近流行のアメリカ式喫茶店で見かける何とかドッピオとか言うやつの仲間なのかも、などと思いを巡らせる。

それで結局、とある懐かしい看板のことを想い出し、これは関東地方(どちらかというと北の方)に特有の「文化」に違いない、と納得することにした。

そのとき想った懐かしい看板というのは、私が生まれ育った関東地方(どちらかというとかなり北の方)の***市にあった、とある娯楽施設の看板だった。

「***デスコ/DESUCO」

・・・その娯楽施設には、そんな看板が掲げられていた。
***市にあるから「***」。そこまではまあいいとして、その後の「デスコ/DESUCO」の部分はちと意味がわかりにくい。私も意味を正確に理解しているわけではないが、それは、当時その地方だけで流行っていた独特の踊り、あるいはその踊りができる場所を意味すると言っていいだろう。
その娯楽施設では、夜な夜な若者たちが集い、当時流行っていたビージーズなどの"Disco Music"が流され、盆踊りに似た独特の踊りが踊られていたのである(実際、本物の盆踊り大会でも、浴衣姿で「デスコ」を踊っている人たちをみたことがあるが、違和感は全くなかった)。
ちなみに私は、アメリカ人のボーイスカウトから盆踊りを教えてくれと頼まれ、教えてやったことがあるが、あまりに覚えが悪く、教え方についていろいろイチャモンをつけられたりしたので、正統な盆踊りは止めにして「デスコ」を教えてやったところ、さっきのより簡単でわかりやすいと大変喜ばれた。

要するに独特のカルチャーなんです。パスタはPasuta、デスコはDESUCOでいいんです。
で、そう思い至ったところで、新幹線のホームに向かった。結局、店には入りそびれちゃったわけです。

えっ? そもそも「デスコ」って言ってる時点で何かおかしいって?
いやいや、***市あたりでは、EとIの発音が曖昧なんですってば。標準語に慣れている方は、例えば”色えんぴつ”は”エロインピツ”と発音しなければ正しい発音にはなりません(こりに淫とが筆とがの漢字を当でてはダメだがんなぁ!)。