カワウニを思い起こせ2006年06月05日 21:19

(注:写真はカワウニの生息地ではありません。)

カワウニは現実に存在しないとして、その味を想像してみると・・・、かなり美味そうな気がしていた。
上質のウニ(海にいる本物)は、サラリとしていて、かすかな海の香りがする。カワウニは、その旨みを強調した感じ。海の香りは、まさに「古代の記憶」がかすかに残る程度・・・。
口から出任せながら、実は私自身、カワウニを食べてみたいと思っていた。

で、この話は、このブログに書いてみて、例のバルセロナ・シェフの話とつながることに気付いた。くだらない雑文を書き続けること1年。どんなにくだらないことでも、書いてみることで考えに筋道ができてきたりする。それがブログのいいところかも知れない。
さて、つながるということはこういうことだ。
現実には存在しないカワウニの味を、私はイメージすることができた。この感覚が、「味はイメージできる」というバルセロナ・シェフの中にある大事な部分なのではないか。そして、バルセロナ・シェフは、その頭の中だけで考えられた味のイメージを、料理というかたちで現実化することが可能だと考え、そして実行してみせたのだ。

そんなこんなの考えの末、このところやっと理解できそうな感じになっているのが、ゲーテの「原型植物」という概念だ。これは、大先生がパレルモの植物園に通い詰め、考えに耽っていた架空の植物である。
ちなみにこの大先生は、なかなか愉快な人であったようで、私などが最大の興味をもっているノルマン建築などそっちのけ。パレルモではいろいろ楽しいことを見つけて、はしゃいでおられた。そして中でもお気に入りは、今も現存する植物園で、そこでありもしない「原型植物」発見の期待に胸を膨らませていたらしい。
ゲーテ先生によれば、「そんな植物が存在しないとしても、存在し得る」とのこと。これにカワウニを当てはめて考えてみることで、大先生の感覚がつかめてくるかも知れない。カワウニが存在しないとしても、存在しうるものとして、その味を頭の中で構築してみるわけである。あるいは、海だろうが淡水だろうが本質的にウニなるもの、「原型ウニ」を想定し、その味を頭の中で構築してみる。そして、味だけではなくて、その形相を考えてみる。やってみれば、それなりに出来る気がする。

ゲーテ先生はシチリアの地で、半信半疑ながら原型植物を実際に発見することが可能だと思っていた節がある。どうも、単なる想像の世界だけの話ではなくて、かなり現実的にイメージできていて、目の前に現れてもおかしくないほどの存在として考えていたようなのだ。
このあたりに、西欧式の思考のツボがあるような気がしてならない。この怪しいポイントは掘ってみる必要があると思う。

限定生産30万台希望2006年06月07日 21:28

Trani
(↑α7のコンピューターがはじき出した適正露出)

今朝の新聞に、ソニーが発売予定のデジタル一眼レフカメラの記事が載っていた。ソニーは、コニカ・ミノルタからカメラ事業一式の譲渡を受けていたが、ついにデジ一眼(α100)を7月21日から発売する。

さっそくソニーのサイトを覗いて調べてみると、ミノルタのαマウントと手ぶれ補正技術を承継し、これにアンチダスト機能が追加になるとのこと。さすがはソニー、いいカメラを仕上げてきたと思った。
おまけに、カールツァイスのレンズがαマウントで登場するらしい。

これまで私がデジ一眼に手を出さなかったのは、一眼のレンズはミノルタのしか持ってないのに、ミノルタがカメラ事業から撤退してしまったせい。それと、レンズ交換時のゴミ問題。ということは、これで、私がデジ一眼に手を出さなかった要因が全て除去されたことになる。ツァイスのレンズも好き。かなりいい。

ただ、しかし、それでもやはり、どうしようもない問題が一つだけ。
・・・なんでそこに「SONY」って書いてあるんだ?

当然ではあるものの、いいカメラと思えば思うほど、そこに「Minolta」の文字がないのが寂しい(決してソニーが嫌いなわけじゃないんです。テレビだってビデオカメラだってソニーを愛用しております)。
ミノルタユーザー暦29年にして、現在のメインはα7(涙)。ちなみに、常用フィルムはコニカのセンチュリア(涙、涙・・)。そんな私のために、いや全てのミノルタユーザーのために、ソニーさんにお願い。

シルバーとブラックのほかに、「Minolta」って書いてあるやつ、出せませんでしょうか? やっぱりダメ? それじゃあ「Con...

薬と書いてヤクと読む2006年06月14日 17:44

昨日あたりから筋肉痛がひどい。慣れない運動をしたわけじゃなく、これは毎年この季節にやってくる禁断症状のせいのようだ。

ヤクをやめて1週間になる(私は花粉症のクスリをヤクと呼んでいる。とりわけこの季節はヤクと呼ぶにふさわしい)。
薬による重しがとれて、楽になるかと思うと、これが一筋縄ではいかなかったりする。筋肉がモワモワした感じになって、節々が痛くなってくる。それでもって、自転車を漕いだくらいでひどい筋肉痛になる。ヤクを飲んでる最中もつらいが、やめた直後はしばらくこんな状態。ヤク(気持ちよくなる方のヤク)をやめても、また手を出してしまう人の気持ちが、非常によくわかる季節なのである。
実は、その前にも一度やめたのだが、雨降りの日なのにクシャミが連続して出たこともあって、また飲まざるを得なかった。先週の中断は再度のチャレンジである。つまり、禁断症状を2度も経験するというひどいシーズンとなった。

一方でいろんなところに花粉の残存物があるため、クシャミや鼻血も完全には止まっていない。ブツに大当たりしてしまうと、とんでもないことになるので(鼻血が出ている状態でクシャミを30回続けたら人間どうなるか想像してみてください)、ヤクはいつでも飲めるようにしてある。

ともあれ、もうすぐ終わる(はず)。

花より葉っぱ、無農薬より収穫か。2006年06月15日 17:32

春菊、セージ、ディル、マスタード
(左から春菊、セージ、ディル、マスタード)

春先からプチ農業に励んだかいあって、最近、バジル(3種)、ローリエの若葉、セージ、ディルが収穫できるようになった。
フェンネル、チャービルももう少し。それとマスタードの実も順調。これに加えて、女房担当のローズマリー、タイム2種と、私が知らない葉っぱもある。
和ものとしては、春菊、浅葱、ネギ、山椒と、これまた薬味系が充実。

おまけに花まで咲いちゃって、庭はかなり賑やかになった。
おそらく、ハーブをきっちり収穫するためには、花を摘んだ方がいいのだろうが、どんな花が咲くのか興味津々で、花はそのままにしてある。写真には載せてないけれど、葱坊主も立派なものだ。

と、花まで咲かせて余裕綽々だったのだが、ここへ来てムシの問題が出てきた。
今月に入って、浅葱の芯にムシが棲みついて、バタバタと倒れてしまった。まさか臭みの強いネギ系の作物にムシがつくとは思いもよらなかった。先週からはアブラムシがマスタードを攻撃しはじめ(お前ら辛くないのか)、今日はディルがやられていた。とりあえず、唐辛子水をスプレーして凌ごうと準備中だが、果たして効くのだろうか?

有機や無農薬がいいとは言うものの、実際に自分でやるとなるとまあ大変なこと。今日は朝から雨で、本格的な梅雨に入ったみたいだ。先が思いやられる今日の雨であった。

食われる前に食え2006年06月18日 21:16

昨日は、庭に生えてるハーブ類を食べまくった。

梅雨入り以来、庭の作物に異変が起きはじめ、ムシ喰いも激しくなった。
そこで一昨日の金曜の晩、女房と作戦会議を開いた。ムシに喰われてしまうくらないら、私たちで大々的に食べてしまおうと。

当初、私はセージを大量投入したサルティンボッカをつくると宣言した。しかし、女房が乗り気になってくれず、セージでパスタをつくってはどうかという逆提案をされてしまった。
セージでパスタ? あまり聞いたことないしつくったこともない。考えあぐねた末、ようやく、ジャガイモにセージをからませることを思いつく。これに女房が、それならオリーブオイルではなくバターで行こうと乗ってきた。
それで出来たのが、ジャガイモ+セージのスパゲッティ。これが昨日の昼食となった。

晩ご飯には、ディル、バジル、ルッコラを大量に消費。
トビウオが安かったので、「ディルでカルパッチョを」と3尾パックを買った。ところが、捌いてみたら鮮度がいまいち。そこで、小さな切り身を直火で炙って風味を出し、半生状態にしたものをカルパッチョ風にしてみた。これに甘エビも添える。
当然、ディルを大量投入。ディルのおまけに魚が付いてくるような料理となった。
バジルはカプレーゼに。写真では小さな葉っぱだけがモッツァレラに載っているようにしか見えないが、実は大量のバジルが別皿に用意されている。シナモンバジル、グリークバジル、スイートバジルを手元でちぎって、食べる直前に載せるシステム。

さらに、タコス用の生地にモッツァレラを載せ、オーブンで焼いたピザ風のものを用意。
これはルッコラと生ハムを載せて食べるのが基本だが、昨夜は基本型以外に、バジル、トマト、カルパッチョ風にしたトビウオなど(要するにテーブル上で目に付いた食材)を載せていろいろ楽しんでみた。

この庭でハーブを摘みながら、バーベキューというか、屋外で食事ができたら楽しかろうと思った。問題は、梅雨が終わっても、ハーブたちが無事でいられるかである。

バンドエイドを2枚もらいました2006年06月22日 18:11

吉祥寺の落書き
昨日の夜から、奈良の大仏様の頭部を思い浮かべながら、「パンチ、パンチに当たりますように」と祈り続けていた。

今日は職場の健康診断の日、採血がある。
いつだったか、このブログに書いたとおり、私は「パンチパーマをしている人は採血がうまい」という、自分の統計学的知見を信じている。
http://ike.asablo.jp/blog/2005/07/21/35085
したがって、採血のときは、まず採血をしてくれる人のヘアースタイルをみる。パンチなら○、それ以外は×。単純である。

さて今日の採血。
やはり今どき、パンチパーマをしている人が採血の仕事などやっているわけがなかった。ストレートだ(頭をまじまじと見てスミマセンでした)。
ただ、自信満々という感じでテキパキと仕事を進める姿に、安心感を覚えた。今日は順調という予感がする。

「少し、ちくっとしますね」 (←絶対ウソだね)

針が入る。

「アレッ?」
・・・聞こえちゃいましたけど、「アレッ?」って。
  今「アレッ?」って言いましたよね。

針を浮かせてグイッ(1回目)
「ん?」
針を浮かせてグイッ(2回目)

「はい、ごめんなさいね。はい、ここ押さえてください」
・・・針が抜かれた。
しかし、血が採れてない。あんなに深く刺して、刺し直して刺し直してグリグリもやったのに、一滴も採れてなかった。

別のところをもう一度刺して、そう、もう一度サブッって刺して、うまく血が出たけど、ちと刺し過ぎ。後で、傷口を押さえていた綿が血で充満してしまった。レントゲン検査のとき、シャツを血で汚れないように脱ぐのが大変だった。

ああそれにしても、10数年前、パンチパーマ姿で採血をされていたあの職能集団はどこへ行ってしまったのだろう?

食われる前に食ってやった2006年06月25日 23:43


週末は庭でとれたハーブを大量消費するため、ひたすらハーブずくし。
この週末も、ムシが勝か、我々が勝かの勝負であった。

まずは金曜の晩飯。
この日の作戦参謀である女房が、じっくり作り込んだトマトソースと、タコス用シートをつかったピザ風料理を用意してくれた。
モッツァレラを載せて焼いただけのものには、少量のコッパと大量のルッコラを載せて食べる。それと、トマトソースと大量のバジルを載せたマルゲリータ風のものにも、さらに生のバジルを大量に載せて食べる。
写真左は女房がつくった自家製ピクルスだが、ディルが入っている。
とにかくハーブを食べまくった。

そして土曜日の晩飯(昼は出かけたので外食)。
これでもかとルッコラを食べる。
写真中央は、エビとトマトのスパゲッティに、生のルッコラを添えたもの。ボルツァーノの店で食べたことがある料理を思い出しながらつくった。
この日のルッコラの消費で(全体の生産量×1/2 < 食べた量)、とりあえずルッコラに関しては、ムシとの戦いに勝ったという感じである。

本日の昼食は、ついに「そこまでやるか」と自分たちが思ったほどの凄まじいパスタであった。写真の右がそれ。
今回もスイートバジルだけでなく、グリークバジル、シナモンバジルの揃い踏みだ。名前は「バジリコ」としか言いようがないが、半端なバジルの量ではない。
まずはローリエ、にんにく、アンチョビ、唐辛子で風味をつけたオリーブオイルを用意。オイルが熱くなったところに、さっと大量のバジルを入れ、軽く炒めたところでパスタ投入。何だか中華っぽいつくり方になった。実際、バジルの量が多すぎて、野菜の油炒めのようだった。
実は、最初はいつものように細切りにしたものを入れようとしたのだが、あまりに量が多すぎるため、かなり大ざっぱに切ることにしたのである。
そして生バジルと(また追加)、炒った松の実をトッピング。さすがにやり過ぎたか、とも思ったが、食べてみるとこれがまた美味い。唐辛子を多めに入れたこともあって、その強烈さ故の梅雨空向きの味となった。

・・・と、一気に収穫したところで、今日の日中にはスペシャルブレンド液(木酢液+唐辛子液)をハーブ系作物の全体にスプレーすることにした。あまりにもムシの攻撃がすごいのである。
ということで、今日の晩飯は一時停戦となった(いきなり食ったらこっちもやられるからね)。