後日談2・旅のお供にGoogle Earth2006年09月17日 16:33

モラーノ・カラブロ

今回、モラーノやミレートのように小さくてマイナーな街を訪ねるにあたり、困ったのは地図がないことだった。

モラーノの場合、お目当てのホテルが、旧市街の中にあるのか外にあるのかが大問題だった。
鉄道で移動の場合だと、駅と旧市街との距離が気になるが、これは大きな地図上でもある程度は把握できる。
車の場合、とくに山岳都市の旧市街となると、すれ違い不能の細い道で、坂道発進の連続が予想される(マニュアル車なので大変)。そのため、中心部に車で入り込んで、探し回るようなことは避けたいし、たぶん走りまわっただけでは、目的のホテルは発見不能。
もちろん、ミシュランなどが提供している地図サイトで、大まかな街の地図は入手していた。しかし、ぐにゃぐにゃした道がいくつも描かれているような地図。山の斜面にある街を平面に描くと、曲がりくねった坂道が交錯してわけがわからない地図になる。使い物にはならない感じだった。
そんなわけで、ホテルの発見のためには、いったん旧市街の外に車を置き、徒歩で坂道だらけの街を探す覚悟でいた。

で、出発直前になって、"Google Earth" という手があることに気づいた。地球上のあらゆる場所の衛星写真を提供しているサイトである。
さっそく専用のソフトをダウンロード+インストールし、モラーノを探してみた。
このサイトで提供される写真の解像度は地域によって異なる。幸い、モラーノの街は、道順がわかるほどの高解像度で撮られていた。これにミシュランサイトで入手した地図を照らし合わせると、ホテルの位置のイメージがつかめたし、街にどうアプローチすればよいかもわかった(この手の街は、入り方を間違えると、永遠に目的の建物や通りにたどり着けないこともあり得る)。

「これは使える!」と思い、今度は全く情報がないに等しかったミレートの街をみてみた。たぶん博物館は街へ行きさえすればわかると思っていた。問題は、放棄された古いミレートの街がどこにあるかだ。そこで、Google Earthの衛星写真から、廃墟の街を探してみることに。
実は、ミシュランのロードマップには、ミレートの街近くに、遺跡を示すマークが付けらていた。ただ、何の説明も付けられていない。遺跡だらけのイタリアだから、それが目指す遺跡とは限らないし、アプローチできる道がどれなのかはっきりしない。しかも、新しい街から東方向に2kmというわずかに得られた情報とも合致しない。
そこで、そのマークの近辺や街から東へ2kmというあたりを、衛星写真から探ってみた。かなり難しかったけれど、おおよその見当がついた。
実際に見当をつけていたところに行ってみたら、その場所で間違いなかった。

困ったときのGoogle Earth。今回はかなり役にたってくれた。
その後の行程では、衛星写真の解像度が低すぎて実用性はなかったが、モラーノとミレートに関しては、持参した衛星写真のプリントが威力を発揮。

それにしても、10年前に南イタリアに出かけたときは、何も情報がなくてぶっつけ本番しかなかった。ホント、インターネットというのは凄いです。