後日談3・市街地サーキットの走り方2006年09月18日 13:45


今回の旅行で、最も神経をすり減らしたのが、市街地での車の運転だった。

駐車禁止の狭い道路にも、違法駐車があるのは当たり前。右にびっしり。左にびっしり。脱出不能と思われるほど、前後ピッタリに停めてある。これで飽和状態になると、片側2列に駐車する輩も現れる。
その列の陰から、唐突に横断を始める人々。車列と人の群れを避け、"快適な"道路中央を走る自転車。電源が切られた信号機・・・。

駐車の列の外側に停車して(これも2列になりますな)、知人とおしゃべりしてるドライバーも多い。そのおしゃべりの相手は、道のど真ん中あたりに立っている。その横を市街地とは思えないスピードで飛ばす車が走り抜ける。おしゃべりを終えると、前触れもなく道を渡り出す。かと思うと、呼び止められてまた戻る!
気が付けば、私の車の両側に自転車が2台。車の屋根ごしにおしゃべりしながら走っている少年たちがいたりする。

そんな市街地を、私は「葬式して~のか、このニャロメ!」(「いつもここから」のノリで)と叫びながら走り続けた。
それでわかった。レンタカーも含めて、オートマチック車がほとんどイタリアに存在しない理由。
市街地では、ギアをセカンドくらいに入れておいて、アクセワークでメリハリのあるスピード調節をしないと危ない。低いギアでもって、急激な加速と強力なエンジンブレーキで走るのがコツだとわかってきた。
こんな市街地では、オートマ車になんか乗れたものではない。アクセルを踏んだりブレーキを踏んだりをしていたのでは、とても間に合わない。

ゆっくり走ってれば問題ないかというと、それも危ない。
前を行く車のスピードに合わせてないと、"車間距離"ができてしまう。この国では、車間距離をとることは危険なのである。狭い市街地をひしめき合うように走っていても、必ず追い越しをかけてくる車がいるからだ。そのわずかなスペースの"ムダ"と、1秒の遅れが、彼らには絶対に許せないらしい。

その1秒、2秒を争うせっかちになところが、例えば列車やバスの運行とかには全く生かされていない。不思議な国である。