シケルガイタ様の記念日2008年02月01日 23:46


シケルガイタ様をわが家にお迎えして、今日でちょうど5年。

この公女様は、小川のほとりで自由な暮らしておられたところを、ボランティア団体に「保護」された経歴をもっている。その後、ボランティアの方の家でしばらく暮らし、わが家にやってきた。
だから生年月日不詳。召使いとしては誕生日を祝って差し上げたいところだが、日付がわからないので、2月1日を記念日として、お祝いをしている。

というわけで、今日の晩ご飯は、マグロとカツオのお刺身だ。
ま、これをやってしまうと、明日からいつもの猫缶をお出しすると、臭いを嗅いだだけで口をつけず、「チガーゥ(違う)。フマーン(不満)。」とか鳴いて、召使いの顔をじっと見たりするのだが・・・。

5年前、わが家にお迎えした初日は、ただ家の中を逃げ回り、ずっと激しく鳴き続けていた。そんなに鳴いては疲れ果ててしまうだろうという鳴き方を、延々と続けるばかり。食事もしないし、トイレにも行かずで、マタタビにも全く興味を示さない。
こんな状態で、果たしてシケルガイタ様と暮らして行けるのか、すごく不安だった。
それでも、2日目にはもう慣れて、夜にはさっそくベッドに上がり込んで来るようになった。本当は寝室には入れない予定だったのだが、初日の状態があまりに可愛そうだったため、ついついベッドの上にのることさえ許してしまった。

慣れてしまうと、とにかく寂しがり屋で、ずっと人のそばにいたがるようになった。人にまとわりつき、トイレの中までついてくる。私がお風呂に入ってしまうと、ドアの前で鳴き続ける。何だか猫らしくないな、と最初は思った。
それに、この公女様は、猫らしく「ニャー」と鳴くまで数年かかった。
最初は、撫でて差し上げても「フグッ」「フンギッ」としか鳴かず、ときどき「プルルルル」と鳴いて走り出すという奇異な「言動」が目立っていた(どんなお仲間と暮らしておられたのやら)。

5年経った今となっては、テレビを観てるとテーブルにのって視界を遮る、パソコンで仕事をしているとキーボードを打ちに来る、トイレに立とうとすると膝の上にのってくる、こっちが呼ぶと隠れる、といった立派な猫におなりになった。

信州に越してからは、冬場は毎日私の布団の中でお休みになるようになった。
私が寝室の引き戸を閉め、先に寝てしまっても、引き戸を開けて入ってくる。シケルガイタ様は引き戸を閉めることができないため、それだと猛烈に寒い。寒さで目が覚め、布団から出て戸を閉める羽目になる。

そこで毎日、寝るときにはシケルガイタ様を連れて寝室に入るのだが、これが一苦労だったりする。
私がそろそろ寝ようかナと思って立ち上がると、さっきまでスヤスヤと寝ていたはずのシケルガイタ様が目を開け、猛ダッシュ! それが彼女にとって、お遊びの時間の始まりなのである。捕まえてから寝ないと後で猛烈に寒い目に遭うため、私も必死で追いかけるのだが、こういうときだけはなかなか捕まらない。

本当に召使いを翻弄するようになりました。まるで性悪女のよう(にカワイイ)。

大阪府知事の謎の1時間2008年02月12日 20:51


橋下・大阪府知事が、NHKに大変ご立腹だそうだ。
2月8日午後7:30スタートのNHK大阪放送局の生番組を巡っての騒動だが、橋下府知事が30分遅刻してきたことについて、NHKの司会者が「遅刻」という言葉を2度使ったのがいけなかったとか、スタッフからのあいさつがなかったとか・・・。

橋下府知事側の言い分によると、もともとその日は東京での公務(挨拶まわり)があり、時間には間に合わないと返答していたのに、NHK側が出演は「公務だから」と生出演を強要し、東京での公務を切り上げてでも出演せよと迫ったそうだ。
これまでの報道をみる限り、概ねメディアは橋下府知事の言い分を支持している。2chあたりでも、橋下支持の発言が圧倒的に多い状況だ。
しかし、今日も関連ニュースの続報があるが、私には未だに肝心なところがわからない。府知事側の言い分には様々な疑いがある。

まず第一に、NHK側から「切り上げてでも」と橋下府知事が言われたという「公務」の存在のこと。
番組が予定されていた8日、確かに府知事は東京での公務に多忙だった。役所や議員会館を廻り、石原都知事との会談もあった。
橋本府知事は、こうした公務を終え、東京午後5時3分発の新幹線に乗って大阪に向かい、その足でNHK大阪放送局のスタジオに向かった。その結果、30分の遅刻となったわけだ。

ところが、とあるワイドショーを観ていたら、その日は公務の終了は「4時頃」と解説されていた。だとしたら、霞ヶ関あたりから東京駅まで、どう考えても30分以上かかるとは思えない。4時半発の新幹線に乗れる。それなら、公務を途中で切り上げる必要もなく、遅刻せずに済んだはず。
だから、なぜ4時半頃発の新幹線に乗れなかったのか、という疑問が残ってしまっている。「公務」というからには、そのスケジュールは公になっていないとおかしいのだが、そこに謎の1時間がある。

それと、この生番組出演がいつ決まり、いつ橋下府知事が断ったのかも考える必要がある。
NHK側は大阪府庁の広報担当者から出演の承諾を得ていたと主張している。おそらくは、当選前から、誰が知事になっても同じスケジュールが組まれていて、その中にNHK出演も含まれていたのだと思う。
いくら”傲慢”とされるNHKだって、最初から断られているのに無理に番組を組むとは思えないし、府庁側としても、公務と矛盾のない番組出演のスケジュールを組んでいたのではないだろうか。
だから、府知事本人が承知していたかはともかくとして、少なくとも、いったんは府庁側から承諾があったとみるのが常識的な判断だと思う。
そうだとすれば、いったん府庁側が出演を承諾した以上、その組織のトップである府知事が約束を果たすのが筋というもの。それはまさに公務そのものであって、NHK側が公務だから出演せよと迫ったのも無理はないことになる。

仮に、橋下府知事が、裏番組への配慮から、府庁の担当者によって当選前から勝手に決められていたNHK番組への出演を断り、あるいは裏番組が終了した時間に合わせて故意に遅刻したのなら、それはそれでいいと思う。タレント事務所と別の放送局との契約を守るのも一つの正義なのだから。
そうした事情をNHK側が全く理解せず、裏番組に関して契約不履行となってしまうような出演を強要したのであれば、確かにNHK側に問題があると思う。
だが、それなら、そのタレントとしての立場への無理解さを正面から攻撃すればいいだけのこと。司会者の他愛のない発言を真っ先に取り上げ、ことさら問題にするのは筋違いというものだ。

不思議なのは、私が疑問に思うこうした事実関係に関する報道が一切ないこと。
公務の終了時間を4時頃と解説していたワイドショーでも、その後の新幹線に乗るまでの府知事の行動については一切触れず、NHK側の対応に問題があって、府知事がキレるのも無理はないという論調で通していた。
しかし、公務の終了時間を4時頃と解説した以上は、なぜ4時半の新幹線に乗れなかったのかという点についての説明なしに、府知事の「公務があった」という言い分を正当なものと評価することはできないと思う。まして、NHK側に問題ありと決めつけ、非難することはできないはずだ。

で、その「権力のチェック」とかいう大事なお仕事は、どうなってしまったのか。
ちゃんと事実関係を踏まえて論評して欲しいものだ。権力者のご機嫌を損ねただけの、NHK司会者への個人攻撃などしてる場合じゃないと思うのだが。