〔後〕テルアビブの白いホテルにて2013年03月12日 00:48

(2012年12月26日)

この日はフェデリーコ2世の誕生日。アッコンを出発してテルアビブに入った。
宿泊したのは、写真の小さなホテルで、外観からしてそのデザインは秀逸。テルアビブの白い建築群は、世界遺産に登録されているのだが、この建築物もその一翼を担っているというところではないかと思う。

私は最上階のシングルルームに泊まらせてもらったのだが、内装もなかなかスタイリッシュだった。細部にわたってデザイン化された建築物で、例えば、エレベーターを待っている間にくるりと体を廻してみただけで、楽しい絵画、ユニークな案内板、斬新なデザインの家具の数々が目に入ってくる。
ベランダにはラベンダーその他のハーブが植えられた大きな鉢がある。部屋にはエスプレッソマシーンがあって、そいつで淹れたエスプレッソを、そのベランダのテーブルで飲んじゃったりできる・・・そんなことも知らずに私は予約してしまったが、ニッポンのおっさん一人で泊まるような場所ではなく、滞在中はやや肩身の狭い思いだった。
ホテルのスタッフは、若い美女ばかり。2泊3日の間、私が出会ったフロントのスタッフは、交代制らしくて合計4人もいた。その全員が、驚くほどに美女ばかりなのである。そこまで「美」を追求しなくてもいいでしょ、と言いたくなるほどだった。

街へ出てみると、その世界遺産クラスの建築デザインもさることながら、商店街で目にする洋服、アクセサリー、食器類、雑貨類がどれも秀逸だった。
まあ、私が田舎に住んでいるせいもあるのだが、街全体が「美」に対する強烈なまでのこだわりをもっている気がした。

ホテルの隣のビルには、日本の工芸品を扱う店もあった。
この店、東京でも京都でも滅多にお目にかかれないほどの審美眼をもった店だった。
どれもこれも買いたくなるような器、布、紙、そして日本酒!
ディスプレイとして、おみくじを結びつけた木の枝が飾ってあった。神社で見慣れた風景が、雑貨店のディスプレイになっているというわけである。これをみて、無数のおみくじが結びつけられた枝が、ああ美しいものなのだと、初めて思った。