3代目のモバイル機2009年03月26日 21:10

 
先月、Windows Mobile 6.1 搭載のモバイル機を購入し、今日でちょうど1ヶ月になる。
さすがに、最近のこの種の技術革新は凄まじく、かつての「モバイル」で、すったもんだしたことが嘘のよう。

私にとっての最初のモバイル機は、NECの " Mobile Gear Ⅱ " だった。
この機械は、思い切りいじくりまわすことのできたコンピューターで、今でも一番好きなモバイル機。
本来は、搭載されているソフトしか使えない設計だったものの、OSがDOS/Vだったことから、無理矢理にDOSのプロンプトを引っ張り出して、DOS/V機として使うことができた。
バッチファイルを書いて、日本語システムを組み込み、簡単なメニューをつくり、DOS/Vのエディターソフトをインストールして使っていた。その"イケナイ使い方"ができることが、おもしろかった。
当時は、海外のローミングサービスと日本の通信環境が違っていたから、海外で"パソコン通信"(インターネット時代前の話です)に繋ぐのも一苦労。現地で、文字化けした画面を睨みながら、手作業で実際に通信回線に接続する手順を確認し、その手順に沿ったスクリプトを書き、何とか(Niftyの)メールのやりとりができるようにしていた。

全く専門的な知識はなく、ただの素人だけど、何となく普通の人とは違う使い倒し方ができることに、マニアックな喜びを感じることのできる、よき時代だった気がする。
”使いやすくする”ために、実は膨大な手間と時間をかけていたわけだが、その無駄な苦労が楽しかったのである。
イタリアのトラットリアでパチパチやってたら、イタリア人のビジネスマンから声をかけられ、"たぶん、日本でしか売ってない"と自慢してやったこともいい思い出になった。

その後、世の中がWindowsとインターネットの時代に変わり、かつてのマニアックな知識は全く役に立たなくなる。
二代目のモバイル機は、Windows CE 2.11 搭載機だったのだけれど、こいつはほとんど、メーカーさんから言われた通りの使い方しかできなくなっていた。
便利な機能は増えて、スピードは何倍にもなったのだけれど、何となく寂しい思いだった。無駄な苦労をしなくて済むようになった分、楽しさは半減したのである。
とはいえ、こいつは昨年まで"現役"で使い続けていたので、十数年ものつきあいになる。ただ、さすがにボディにヒビ割れができたりして、接着材で修復した姿が痛々しく、限界に来ていた(写真の中で一番大きいやつ)。

そんなわけで、三代目のWindows Mobile 6.1 搭載のモバイル機を導入することになった(写真右の機械)。
実際に使ってみて、この十数年間の世の中の変化に、日々感嘆するばかり。

まず、スケジュール管理がPCとリンクできるので、手帳が不要になった。
自宅や職場の無線LANで、インターネットに繋がるため、WEBもメールも簡単にできる(以前はモジュラージャックに配線しないとできなかった)。
内蔵のGPS受信機と地図ソフトをリンクさせると、簡易なナビゲーションも可能。バイク用の携帯ナビを買おうと思っていたのが、それも不要になった。先日、上野から浅草まで歩いたのだけれど、この機能のおかげで、適当に歩いても目的地に辿りつけた。
多様な音楽ファイルが再生できるので、今まで使っていたMP3プレイヤーが引退。おまけに、FMラジオも聞ける。
英和辞典、簡単な伊和辞典もインストールしたので、電子辞書も引退。
320万画素のデジカメ内蔵なので、ずっと愛用していたメモ用のRicho R1(400万画素)も引退。

価格も、私が初めて買った40Mバイト(GじゃなくてMです)のハードディスクと同じで、初めて買った30万画素のデジカメと同じ。初めて買った、RAMが64Kバイト(GとかMじゃなくてK! / なお、640kの間違いではなく64k)のパソコンの半額以下。それでいて、そいつらの性能を遙かに凌いでいる・・・。
これまで、この種の機材に注ぎ込んだ金額を考えると、何だか呆然としてしまうが、この一ヶ月は、毎日のように「おや、こんな使い方ができるぞ!」と、新たな発見があって楽しかった。
それに、イケナイ雰囲気のフリーソフトをかなり仕込んで”使いやすく”できたりするので、結構面白い。

あ、それと、このモバイル機は、電話もできるらしい。
その昔、私が勤務先から支給された携帯電話は、確かウィスキーの瓶くらいに巨大で重かったのだが・・・。