〔後〕エルサレムへの道2013年01月09日 02:47

(2012年12月22日)

テルアビブのベン・グリオン空港から、まず向かったのはエルサレム。
シェルートまたはセルヴィスと呼ばれている乗り合いタクシーを利用した。
空港の建物を出ると、看板もあり、運転手がすぐに声をかけてもくれ、エルサレム行きのシェルートはすぐにわかった。10人くらいの乗客が乗れる座席があって(車両自体はタクシーというよりはミニバスといった方がいい)、ほぼ満席にならないと出発しないシステムらしく、出発までは20分ほど待たされた。
やがて外国人観光客や地元の人たちで満席になり、出発。高速道路として整備された国道を走ってエルサレムに向かった。

このルートは、少しだけパレスチナ自治区である西岸を横切ることになる。
外務省が公表している「危険情報」には4段階のランクがあるが、エルサレムやテルアビブは最低ランクの「十分注意してください」になっている。
しかし、西岸やガザ地区あたりは2ランク上がって「渡航の是非を検討してください」になる。ただし、エルサレムとテルアビブを結ぶこの幹線道路だけは除外されていて、最低ランク。
したがって、写真に写っている道路部分は「十分注意してください」だが、それ以外の風景は、一応は「渡航の是非を検討してください」の対象地域ということになるようだ。

エルサレムの市街地に入って行くと、ユダヤの正装をして何かを唱和しながら歩く男性の一団(30名くらい)が前方に見え、それを見たアラブ人運転手が舌打ちした。やがてその一団に近づくと、2人ほどがタクシーの正面に立ち、何かを訴え始める。当然、タクシーは前に進めない。
すぐに警官が来て「交通整理」をしてくれたが、少しの間、その一団にタクシーが取り囲まれるような格好になったため、一時はどうなるかと緊張した。どのような性格の一団だったのか、なぜタクシーの進行を妨げようとしたのかについては今もよくわからない。シャバト(安息日)の最中だったから、何かしらの宗教的な意味があったのかも知れないが。

その後、タクシーは乗客たちをそれぞれの目的地ごとに降ろしながら進む。
私も乗るときに行き先のホテル名を言っておいたところ、ちゃんとそこまで連れて行ってくれた。
料金は62シュケルで、およそ1500円ほど。運転手に20シュケル札4枚(計80シュケル)を渡したところ、きっちりとお釣りをくれた。