カワウニのことなら忘れてくれ2006年05月25日 17:31

忘れな草
(写真のワスレナグサと文とは関係ありません)

私の生まれ故郷に近い那須塩原市には、世界的にも非常に珍しい淡水型ウニであるカワウニ(川雲丹)が生息している。
これは、日本列島が形成される過程で、この地域が、湾→塩水湖→淡水化→陸地化という過程を辿ったことによる。この古代の湖は「塩原湖」と呼ばれているが、当然、今は存在しない。その塩原湖における淡水化の過程で進化を遂げたのがカワウニだったと考えられている。現在のカワウニは、温泉が流入し、ミネラル分が豊富な沼地に生息している。
カワウニはウニ特有のトゲがほとんど退化しているため、見た目はあまりウニっぽくない。だが、噂では大変美味とのことである。ただ、大変な希少種であるため、特別の許可を得ている塩原温泉のごく限られた旅館だけで、これまたごく限られた客にだけに提供されているそうだ。

もう10年以上前のことだが、高田馬場にあるそば屋の店主が塩原温泉出身の人で、その店で貴重なカワウニが食べられるらしいと、友人Tに教えてやったことがある。
さて、もう気づいている人は気づいていると思うが、カワウニは食べられない。なぜなら、私が考えた”架空生物”だからである。上の方に書いた話は真っ赤なウソで、その友人Tを担ぐために、私がでっち上げたものだ(ただし「塩原化石湖」という湖はあった)。

その後、友人Tは、私の生物ネタは全く信用しなくなり、「淡水のエイがアマゾン川にいた!」というホントの話もホントだと思ってくれなかった。
かくして、この前にblogに書いた「カワハギをハゲと呼ぶ方言がある」という話を彼にしたのだが、ぜんぜん信用してくれない。カワウニとカワハギ。確かに似ている。前者は真っ赤なウソだが、後者はホント。確かに、あまりに出来すぎた話だ。いや、彼は信用しないふりをして、私に仕返ししている可能性もある。完全に、騙し、騙される関係になっている。

加えて、友人Tをそば屋に誘うのが担当だった人も(そんな担当者もいたわけです)、カワハギの件を全く信用していない。架空生物詐欺団の主要メンバーであったはずの彼女からは、こんなメールが送られてきた。

「ikeさんの被害者が出ると思うと、感無量です。
 カモノハシの靴べら同様、ヒットですね。」

”カモノハシの靴べら”と比べられてもね・・・。

コメント

_ イタリアマニア隠れikeファン ― 2006年05月25日 21:57

え? 被害者?

_ ike ― 2006年05月25日 23:09

>え? 被害者?

いいえ、「被害者」ではございません。

「被害者」というのは、今月の給料は半分になると信じ込まされて、消費者金融向けの身分証明書をつくってしまった人とか、ホントは無料の講演会なのに、参加費は1万円だと信じ込まされて、泣く泣く受付に1万円払いに行ってしまった人とか、オーストラリアではカモノハシのクチバシでつくられた靴べらが人気のおみやげで、すごく使いやすいと信じ込まされてしまった人のことです。

Fidarsi e` bene, non fidarsi e` meglio. 合掌。

_ イタリアマニア隠れikeファン ― 2006年05月26日 20:37

なるほど。この言葉はこうやって使うのですか。腑に落ちました。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
次の答えを入力してください。

プーリア

コメント:

トラックバック