なす、ミョウガ入りの鍋2007年10月27日 20:41

 先日、街の居酒屋で、カウンターの中の親爺さんが不思議な鍋の仕込みをやっていた。

 カウンターの上に並べられた3つの鉄鍋に、この親爺さんが、ミョウガ、なす、豚肉を次々と放り込んでいる。特注した予約客にでも出される鍋なのだろうか。それにしても、なすだのミョウガだのを入れるとは、妙な鍋があるものだな、と思っていた。
 
 だが、しばらくして、私が注文した「きのこ鍋」が目の前に現れ、のぞき込んでみてビックリ。雑きのこ4種のほかに、ミョウガ、なす、豚肉が入っているではないか! 何とも不思議な鍋。もしかすると、これが普通のきのこ鍋なのかも知れないが、私の常識の中では、決して思い浮かばない取り合わせであった。

 でも、食べてみると無茶苦茶うまい。

 こんな雑きのこの食べ方があるとは知らなかったし、思いもよらなかった。居酒屋の親爺さんによると、雑きのこの鍋に合う野菜は、なす、ミョウガ、ネギくらいのものだそうな。私が変だと思った材料が、あえて積極的に使われているのである。逆に、鍋の定番とも言うべき白菜などは入れてはダメとのこと。
 やはり鍋といえども、れっきとした一つの料理。適当に具材を放り込んだのでは美味しい鍋にはならないわけで、きちんとしたレシピに従った方がいいに決まってる。

 というわけで、このレシピを自宅でもパクることに。
 山の中の直販所で、コガネタケ、霜降りシメジ、黄シメジが入手できたため、これに天然ナメコも加えて鍋にしてみた。野菜は、なす、ミョウガ、ネギの3種。出汁はつかわず豚肉を入れ、少しの赤味噌で味付けしてみた。最後に豆腐を入れて完成。

 さすがに居酒屋で食べた絶品のきのこ鍋には及ばなかったものの、見事な調和。やっぱり不思議な鍋だ。美味かった。