チェンマイ4 - 少数民族テーマパーク2008年03月10日 04:04

 
チェンマイ最終日は、朝から運転手兼ガイドのおじさんと再び北へ。

今回は、少数民族が暮らす村を案内してもらった。
その村では、カレン族、ラフ族、パラウン族、首長カレン族の方々が同居していて、そこに住みながら、民芸品などを製造販売している。観光客向けに整備された村に、様々な民族の方々を集めたようだ。「村」としての生活感はかなり薄められていて、そこは、一種のテーマパークのようなところだった。

私が村に到着したとき、ちょうど、ミネラルウォーターを各戸に配るトラックが来ていた。ガイドのおじさんによると、飲料水は皆ミネラルウォーターを買っているそうな。
ラジカセを抱え、腕時計をはめてる娘さんなんかもいて、都会の女の子と変わりない。民族衣装と、普通によくある洋服を取り混ぜて着ている子も多い。鶏、犬、猫、そして豚さんも飼われていて、元気に走り回る子どもたちもいる。テーマパークとはいえ、人が暮らす村であることには違いがない。

こうやって少数民族テーマパークをつくり、観光客相手に、人間の暮らしそのものを見せ物にしてしまうあたり、賛否がありそうだが、ホンモノの村に外国人が押し寄せるよりはマシかも知れない。
首長カレン族の女性は、5歳頃から首に金属のコイルを巻き、成長するにつれコイルを足して長い首をもつようになる。独特の容貌をもつ彼女たちが、この種の少数民族ツアーの「ハイライト」とされている。ミャンマーから難民としてタイへ入ってきた彼らだが、今やタイの観光業の主役になっているわけである。
かつては習俗としてのコイル巻きも、こうなってしまうと、観光客を引き寄せ、現金収入をあげるための手段に変容して行くに違いない。このコイルを手に持ってみたところ、かなり重かった。脚にもコイルを巻いているし、ずいぶん体に悪そうである。同じ村の中でも、別の民族の女の子にはそんな重いものを身につける義務はない。この村で生まれ育つ首長カレン族の女の子たちは、何を思いながら暮らして行くのだろうか。

チェンマイの街に戻る途中、大きな建物の前に、大勢の人が群れていた。
コンサート会場か何かと思ったら、ガイドのおじさんによると刑務所だとのこと。薬物関係の犯罪で服役中の人が多いらしい。建物に群がる大勢の人たちは、面会に訪れた家族たちだという。そういう光景が、幹線道路の横で繰り広げられていることに驚いた。

チェンマイに戻り、ホテルから少し離れたところで、店先でチキンを炙っている店をみつけ、そこで昼食をとった。
何となく入りやすいし、テーブルが並べられた庭の雰囲気もいいなと思っていたら、店主は西洋人だった。なるほど、雰囲気やメニューがいかにも東南アジア的で、そして入りやすい店という場合、外国人がやってることが多いようだ。昨日、お茶を飲んだ店もそうだった。
外国人がイメージする東南アジア的な空間というのは、逆にタイの人々にとっては、自分たちの美意識とは全く違うものなのかも知れない。

昼食後は、ホテル近くの小径を散策してみた。
夜はナイトバザールで賑わう界隈だが、昼は屋台が完全に姿を消す。とはいっても、昨日歩いた旧市街内部とは違って、ゆっくりとした静かな散歩を許してくれないのがこの街の凄いところ。
あちこちにタイ式マッサージの店があって、店の奥に座っていた店員さんが、わざわざ道まで出てきて声をかけてくる。「サワディー・カー」と声をかけられて振り向くと、そこにはピンク色の看板がかかった店があった。見かけと中身の性別の違う方々が給仕して下さる喫茶店らしい(真昼間から営業してはいけない気がするが)。

夕刻は、空港に向かう前の残り時間で、またアヌサーン市場で軽い食事をした。
名前はよく覚えていないが、タイ風の麺類をいただく。いまひとつ辛さが足らない気がして、テーブルにあった調味料を適当に加えていったら、猛烈な辛さになってしまった。
飛行機内で”一泊”のため、すでにお風呂にも入って着替えを済ませていたのだが、汗だく。

これでチェンマイもお終い。
今回は現地の旅行会社をフルに活用して、お気楽な観光を楽しんでみた。
自力でやるのもおもしろいけれど、たまには人任せで旅をするのもいいものだ。
もっとも、また東南アジアに向かうとしたら、再びチェンマイに行き、次回はレンタバイクを借りて妙なところに行ってしまう気もしてるが・・・。