餘部鉄橋解体中2010年09月17日 00:05

 
その日は、鳥取砂丘を後にして海岸沿いの道を東に走り、何となく目にとまった喫茶店で遅い昼食をとった。頼んだメニューは"生姜焼き定食コーヒー付き"である。
遙かなる旅路の途中、「なぜ、も少し気の利いた名物料理を食べない!?」と誰かに詰問されそうだが、とにかくその時は、そういうものが食べたかったのである。

それはさておき、喫茶店で地図をめくりながら、ふと思った。
「そういえば、有名な鉄橋がこの近くにあったような?」
地図上の鉄道路線を辿ってみると、「餘部鉄橋」の文字が。その喫茶店は、ちょうど鉄橋の少し手前の位置にあったのである。
おっと危うく見過ごすところだったぜと、生姜焼き定食を求めて休憩したことが大変に有意義であったと喜んだ。

写真は8月30日のものだが、確か"最後の列車"が古い鉄橋を通過したのは、ほんの少し前の7月だったはず。しかし、すでに古い鉄橋の解体工事はかなり進んでいた。残された橋脚は写真に写っているこの2つと、半分ほど解体が進んだもう1つのみ。グレーのコンクリートの橋脚の存在感が、赤い"残骸"を完全に圧倒している。

このような姿を晒すような事態となっても、ちゃんと一眼レフカメラを携えた少年が、周囲をウロチョロしているところは、さすがであった。手前の山越えルートで、私と一緒に遅いトラックに引っかかっていたハーレー軍団の皆様も、ここで休憩されていた。
そうしてみると、「餘部鉄橋」はかなり寂れつつも、まだ名所として健在だったと言える。保存計画もあるそうだし、これからも名所であり続けるのだろう。